英語に苦手意識を持つ人が海外旅行に行く際、最初の難関と思うのは入国審査だろう。
結論から言ってしまえば何も恐れることはない。観光旅行で行った場合、余程の不備(ESTAの未取得等)でもない限りは絶対に通過できる。
もし何一つ英語で返答が出来なかったとしても、入国審査官は言い方を変えたり、ゆっくり言ったり、何とか答えられる様にしてくれる。それでもダメな場合は片言でも日本語を話せる人間を呼んできてくれる。
しかしそんなに手間も時間もかけたくないだろうから、以下のポイントさえ覚えておけばいい。
まず家族は一緒に審査を受けられる。同一の目的、滞在期間のファミリーなら皆で一緒に行って構わない。
アメリカの場合、入国審査と税関は、乗り継ぎがある場合は最初のアメリカ到着地で行われる。
国際線を降りれば全員が入国審査場を通過するので、皆についていけば問題ない。
入国審査場では米国市民と外国人とに列が分かれている。大抵米国市民の列が空いているが、空いているからといって間違えて並ばない様に。NON-US CITIZENというのが並ぶべきラインだ。
混雑時等は米国市民の入国がほぼ完了すると、外国人も米国市民の列も使うように指示されることもある。
自分の番が来たら「ネクスト!!」と声を掛けられたブースに行く。
質問されることを最少にする為に全ての必要書類をパスポートと一緒に出してしまおう。この際、せめて「ハロー」くらいの挨拶と一緒に提示した方がいい。
提出しろ、見せろと言われる書類は基本的にはパスポートの他、税関申告書だけだが、帰りの飛行機について尋ねられることも多いので、帰国便のチケット(Eチケットのプリント)も一緒に出してしまっていい。乗り継ぎの場合は目的地までの航空券か搭乗券も出しておこう。
以上の書類が出ていれば乗り継いで何処へ行くのか、帰国の便は決まっているのかは分かるので質問は最小限になるはずだ。
さて質問内容だが、何かを怪しまれたりしていなければ以下の質問事項だけで済むはずだ。
- 渡航の目的
- 期間
- 滞在先
- 職業
- 申告する物があるか
1は一般的にはWhat’s the purpose of your visit?と聞かれるが、この通りに聞いてくれるとは限らない。言葉にWhat’s、purpose、visit、が入っていれば目的を聞かれていると思っていい。たまにBusiness or pleasure?といった簡単なセンテンスで聞いてくることもある。
答えはSightseeing.やOn vacation.となるが、Business or pleasure?と聞かれていればpleasureでいい。
2はHow many days will your stay be?等と聞かれる。時には滞在期間ではなく、いつ帰るのかという聞き方をされる場合もある。how long、when、how many days、until whenが入っていれば期間を聞いていると思っていい。4 days.やa week.等と期間を答えよう。When will you return to your country?等と帰国日を聞かれたなら帰国便のチケットを指さしてその日付を言えばいい。
3はWhere are you going to stay?等と聞かれる。where、address、hotel等が入っていればこの質問だ。簡単にAt a hotel.と答えれば良いが、もちろんホテル名を言っても構わない。
4はWhat is your occupation?等と聞かれる。occupationが入っていれば職業を聞かれているのだ。会社員ならI’m an office worker.学生ならI am an student.自営業ならself-employed 等と答えよう。専業主婦ならhousewifeだ。無職でも無職とは言わない方がいい。
5はDo you have anything to declare?等と聞かれる。declareと言われたらこれを聞いている。あるなら正直にYesと言って税関申告書に記入した内容を指し示そう。普通はNoでいい。
アメリカの場合は以上の質問の前か後に指紋の採取と顔のカメラ撮影がある。Press four fingers on your right hand, please.等と言われる。 fingersやright handと言った単語は聞き取れると思う。まずは右手から親指以外の4本をスキャン、次に親指、そして左手の親指以外の4本、そして親指という順番だ。
Look at the camera, please.等と言われたらカメラを真っ直ぐ見よう。cameraという単語は聞き取れると思うし、審査官が顔の方にカメラを向けるので分かるはずだ。
眼鏡をかけていると外す様に言われることもあるので、予め外しておくといい。
審査が終わればパスポートにスタンプを押して返してくれる。Thank youを忘れずに。
その後は税関審査だが、申告する物がなければ簡単だ。
ターンテーブルから荷物をピックアップしたら、係官に税関申告書を手渡すだけで通れる場合がほとんどだ。
間違っても申告するべき事項があるのに面倒だからと誤魔化したりはしない様に。万が一ばれたら「忘れていた」では済まない事態になる可能性がある。
もし乗り継ぎの場合は税関を出てすぐの場所に再預けのカウンターがある。自分が搭乗する航空会社の係員に手渡そう。ここで預け直しをしないで外に出てしまうと厄介なので、乗り継ぎの場合は税関を通過したらすぐに再預けということを忘れずに。
係官は英語に不自由な外国人観光客には慣れている。やましいことが無ければ何も恐れることはないが、事前に予習をしておけばスムーズになるはずだ。
年に一回程度以下の海外旅行で、滞在も一回につき1ヶ月以内なら特に厳しく質問されることもないだろう。
もし年間に頻繁に海外旅行をしている場合や、滞在期間が観光目的で許可される最長の3ヶ月間に近い場合等は、入念な審査をされることもあるので、そんな人はある程度の英語力を身に付けておくことをお薦めする。