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スプラッシュマウンテン


ディズニーランドのアトラクションの中で一番好きなスプラッシュマウンテン。
娘は落下するアトラクションが嫌いなのであまり乗れないのが残念…。

スプラッシュマウンテンに初めて乗ったのは20年以上前、初めてアナハイムのディズニーランドに行った時だと思う。現在では東京ディズニーランド、アナハイムのディズニーランド、そしてオーランドのマジックキングダムに存在する。

個人的にはこのアトラクションがディズニーらしさを一番感じる。
ほぼのんびりしたボートライドで、一度きりの迫力ある水面への落下という構成がいい。
スプラッシュマウンテンもそうだが、ディズニーパークには所謂「古き良き南部」をコンセプトとしたアトラクションが他にも存在する。蒸気船やトムソーヤ島なんかは正にそれだ。
初めてオーランドのWDWを訪れた時に宿泊したのが、デキシーランディングリゾート(現ポートオリンズ・リバーサイドリゾート)だったが、「風と共に去りぬ」で観たような、昔のアメリカ南部の風情に溢れていて素敵な場所だった。(デキシーランドとはアメリカ南部のこと)

スプラッシュマウンテンは「南部の唄」という1946年のディズニー映画を題材としたアトラクションなので、この「古き良き南部」という雰囲気があることは当たり前なのだが、残念ながら映画「南部の唄」はもう観ることが出来ない。
もうアトラクションでしか聞けない「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー(Zip-A-Dee-Doo-Dah)」はアカデミー歌曲賞もとっているし、主役のリーマスおじさんを演じた黒人俳優、ジェームズ・バスケットがアカデミー特別賞も受賞している。

南部の唄

実写をメインに、アトラクションにも出てくる南部の動物たちがアニメで合成されている、「メリーポピンズ」の様な作品だ。

かつては日本でもビデオが販売されていたので、私は滑り込みセーフでレンタルして観たことがある。現在は絶版で、アメリカでも再公開の予定はないとのこと。
理由は当時の奴隷制の実態を正しく描いていないという、全米黒人地位向上協会からの強い抗議によるもの。確かに「古き良き南部」は当時奴隷であった黒人達から見れば、決して「古き良き」ではないわけで、この辺は難しい。

ただ、映画自体はとても良い作品だったので、スプラッシュマウンテンの元の映画を娘に見せてやることが出来ないのは、やはり残念。
奴隷制度の実態を正しく描いてはいないかもしれないが、誰が考えても(まともな人間なら)奴隷制度が非道であることは当然だし、南北戦争や、今も続く人種差別の問題等、実情を知る機会は他にもある。

Zip-A-Dee-Doo-Dah歌唱シーンのみですが、YouTubeで観られるようです。


映画 ウォルト・ディズニーの約束


映画「ウォルト・ディズニーの約束」(原題 Saving Mr. Banks)は、ディズニー映画の名作「メリー・ポピンズ」製作の裏話を描いた作品。
アメリカでは2013年末に、日本では2014年、大ヒットした「アナと雪の女王」とほぼ同時期の公開だった。
監督はジョン・リー・ハンコック、ウォルト・ディズニー役にトム・ハンクス、メリー・ポピンズの原作者、P・L・トラバース役にエマ・トンプソンという配役。

ウォルト・ディズニーの約束

これはもしかしてディズニーのこと?というディズニーをパロった映画は数々あるが、ウォルト・ディズニー本人を直接的に描いた映画は珍しいと思う。
主役はディズニーではなくP・L・トラバースなので、ディズニーサイドのエピソードに期待をするとやや期待外れかもしれないが、きちんと真面目に作られた秀作だと思う。

日本での集客を考えた邦題は仕方ないのかもしれないが、内容はまさに原題のSaving Mr. Banks。
(バンクス氏はメリーポピンズがやってくる家の子供達の父親で銀行家)
トラバースの少女時代の父親とのエピソードがドラマの主軸。親と子の赦しの物語だ。
ウォルト・ディズニーと(ディズニースピリッツと)、トラバースは対立し、相容れない人物として描かれるが、片やアニメとテーマパークで、片や小説で果たそうとしたことの原点は、いずれも幸福とはいえない子供時代の呪縛。

よく噂されるウォルト・ディズニーのダークな部分等は一切描かれない。ディズニーサイドの物語はメリー・ポピンズ製作過程に限られているのでそれで良いと思う。ディズニー映画だし。
特にディズニー社が配給を決める以前からあった脚本に文句を言うことはなかったらしいが、唯一ディズニー社が脚本に意見したのはウォルト・ディズニーの喫煙シーンだったそう。
時代も時代だし、別にウォルト・ディズニーが喫煙者と分かっても問題はないと思うが、理由はイメージ云々ではなく、喫煙シーンに厳しいアメリカのレーティングだそうだ。
(レーティングによって劇場鑑賞出来る年齢が制限される)

「アナと雪の女王」の陰でひっそり上映が終わったしまった感があるが、DVDやブルーレイでいつでも観られる作品なので、ディズニーに興味がある人には是非お薦めしたい。
そしてもし、ディズニー映画が嫌いではないのに「メリー・ポピンズ」を未だ観ていないという場合には、併せて観ることをお薦めする。

メリー・ポピンズ