東京ディズニーリゾートの夢と魔法


香港を除く世界中のディズニーリゾートに行ったことがあるが、大きさ、スケールではもちろんフロリダのウォルトディズニーワールド、雰囲気ではパリのユーロディズニー、そして総合的なクオリティでは東京ディズニーリゾート(TDR)がダントツだと思う。

TDRのクオリティの高さは日本的サービスを突き詰めた結果だと思う。所謂「おもてなし」だ。

娘が幼稚園に通う前、2、3歳の頃に一度だけ年間パスポートを買ったことがある。
ランドだけのものだったが、これを使って一年間、頻繁に東京ディズニーランドに出掛けた。シングルファザーが幼い娘を連れて遊びに行くには最適で快適な場所だったからだ。

東京ディズニーランド

混んでいても何故か快適な投稿ディズニーランド

まず当時はおむつ替えスペースは女性用トイレにしか設置していない施設が多かった(今でもそうだが)が、TDRでは全てではないものの、男性用トイレにも設置してある場所があって便利だった。
一般的に赤ちゃんや幼児の世話は母親がするものという前提で考えられていること自体は仕方がないが、マイノリティにも配慮があるかないかは、まさに「おもてなし」の基本だと思う。

TDRのルールとして、パレードの場所取りは開始1時間前から、必ずその場所に人が一人はいることというのがある。親子二人で子供が小さいと、このルールを守るのはなかなか難しい。
せっかく1時間前から良い場所を確保していても、寸前に子供にトイレに行きたいと言われれば、その場所を諦めなくてはならないのだ。さすがに2歳や3歳の子供を独りでトイレに行かせるわけにはいかない。
しかしどのキャストでも、二人きりなのでと事情を説明すると「私が場所を見ておきます」と即答してくれた。判断を迷う様なキャストは皆無だった。
この即答というのが大事なところで、たくさんのキャスト(従業員)の一人一人が素早い判断を出来る組織というのはなかなか無い。

同じようにゲストの身になった素早い判断が凄いと思ったのは、駐車場トラブルにあった時のこと。
パークが19時閉園で、ディズニーランドホテルのレストランを19時半に予約していたので、パークの駐車場で車をどうするべきか尋ねると、「パーク駐車場は閉園後閉まってしまうので、ディズニーランドホテルの駐車場に停めた方がいい」と言われ、その通りホテルの駐車場に向かったところ、ホテルのドアマンに「それでは駐車料金がかなり高くなります」と言われた。
つまりパークの駐車場係の提案は、移動の手間を無くすということのみで、料金的には全くベターでは無いということだ。
「そんなに高くなるならもう一度パーク駐車場に向かい、閉園後に移動した方がいい」と私が言うと、ドアマンは「そうですが、案内の手落ちはこちらの責任なので、こちらの駐車場を終日無料にさせていただきます」と言って無料駐車券を即座にくれた。
普通なら「お手数掛けてすみません」と謝罪するのみか、同じサービスをするにしても責任者の決裁を必要とすると思う。
こちらが要求したわけでも無いのに、こちらにとって最も有難い判断を即座にしてくれるというのは、一体どんな組織運営がされているのかと驚くばかりだ。

他にもまだまだある。
こんなことはTDRにとっては当たり前のことなのだろうが、娘が買ったばかりのポップコーンをひっくり返してしまいベソをかいていたら、掃除のキャストが来て手早く散らかったポップコーンを掃除すると同時に、娘からポップコーンバスケットを預かり、それに満杯のポップコーンを入れて戻って来て、「ミッキーの魔法だよ」と言って手渡してくれた。
更に所謂ミッキーバス(ディズニーリゾートクルーザー)の中で娘がポップコーンバスケットをひっくり返してしまった時も、私がドライバーに謝っていると、ドライバーは娘に「これは鳥さんのご飯になるんだから、鳥さんが喜ぶよ、いいことをしたね」と言うのだ。

東京ディズニーランド

娘はいつもポップコーンバスケットをぶら下げてた

アンチディズニーな人々にとっては気持ち悪いと思えるくらいの対応だろうが、ここまで徹底されたTDRのおもてなし精神は、比類がないと言っても過言ではないと思う。
もちろん世界中のディズニーリゾート、ディズニー以外のレジャー施設やサービス業でも、人によっては同じ様なレベルの仕事をしている人はいると思う。
しかしあくまでも人によってはだと思う。
個人個人に多少の差はあっても、施設全体、組織全体でこれだけのクオリティを保っているのはTDRくらいではないだろうか。

東京ディズニーリゾートの夢と魔法は世界一だと思う。


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